北海道グランド・ツーリング 2019 6日目

6日目です。

AM5時頃、強烈な日差しで突然目が覚めた。
窓から外を見ると、雲ひとつ無い青空が広がっていた。

一気に目を覚まし、急いでキーを持って車に向かった。

AM6:00、津別峠。

標高947m、気温は5℃。
9月とは思えない寒さだが、幸い風も無く、なんとか上着1枚で耐えていた。

ここは雲海が有名なのだが、そんなことを微塵も感じさせない澄んだ青空、目下には屈斜路湖。
まだ上りきらない朝日が、地平線をわずかに色付ける。
素晴らしい1日のはじまりだ。

強いて欠点を言えば、雲海ツアーで来ているバスの客達がうるさいことくらいだろうか…去っていくまで遠く離れていた。

津別峠を下り、屈斜路プリンスホテルの敷地内にある湖畔に下りた。

風は全くの無風。
優しく湖畔に打ち付けるさざ波の音がしているだけだった。
穏やかな屈斜路湖の朝。

誰一人いない湖畔で、雲ひとつ無い空のもと、眩しい朝日とともに極上の朝のひとときを一人で満喫していた。

ちょっと贅沢して宿泊した屈斜路プリンスホテルだったが、プライベート湖畔(?)があることや、津別峠のすぐ近くという理由で選んだのだが、大正解だった。

さ、朝食の時間だ。

これまた人の少ないレストランで、大きな窓ガラスからの景色を眺めながら、一人優雅に朝食を食べた。
こんなに贅沢して良いのだろうか?逆に不安になった。

せっかくの天気なので、周辺を巡ることに。

まず向かったのは「神の子池」

ここは摩周湖の伏流水が湧き出ているとされている池で、見ての通り美しいブルー。
摩周湖はアイヌ語で「カムイト(神の湖)」、その伏流水なので「神の子」池という名前だ。
でも、実際は摩周湖の伏流水ではないらしい。

神の子池は”生きている池”なので、生命も宿っている。
下の写真のように、小さな魚が何匹も泳いでいた。

神の子池へのアクセスは2kmほどダート林道を走ることになるが、よほどの車高短じゃない限り大丈夫。
でも、決して広い道でも無いし砂利道なので要注意。

神の子池をあとにし、そのままd1115を南下して裏摩周展望台へと向かった。

ここは初めてきた場所。
表の摩周第一、第三展望台(第二はかつて存在し、今は消滅)は有名だけれど、裏摩周展望台はちょっとだけマイナー。
おかげで人も少ない。

摩周湖の中心にある小さな島はカムイシュ島と呼ばれ、標高は210mほどあり、頂上部分がちょこんと顔を出している。
それにしても、本当に神秘的な湖だ。
他にも美しい湖はあるので甲乙つけがたいが、摩周湖は固有の美しさを誇っている。

その後はセイコーマート やまな店で一休みの後、R241で一気に足寄へ。
R241は遅いトラックのペースに付き合わされ、道の駅あしょろ銀河ホール21に着いた頃にはすっかり眠くなっていた。
ちょうど小雨が降ってきたこともあり、一眠りすることにした。

ところで、道の駅あしょろ銀河ホール21の駐車場には、MAZDA RX-3と日産 シビリアンが置いてあった。

一体これは放置車なのだろうか?それにしてはタイヤも潰れていないし、窓ガラスも割られていない。
でも、アスファルトの状態からきっと長い期間静置されているようだ。
そこまで状態が悪く無さそうに見えるので、少し勿体ない・・・

目を覚ました頃には青空が復活。
ナイタイ高原牧場へと向かうことにした。

ナイタイ高原牧場レストハウスへとアプローチする絶品のワインディングロードを一気に駆け抜け、到着。

日本一広い牧場からは、どこまでも続く大地が広がっていた。

しかし、驚いたのはこっち。

な、なんじゃこのオシャレな建物は!?
一昨年来た時はプレハブ小屋だったこともあり、雲泥の差にビックリ。
まるで表参道のカフェかってくらいおしゃれなレストハウスに変貌を遂げていた。
どうやら、2019年に出来たらしい。って、つい最近じゃん(汗)

でも一方、私のような一人旅の人間が寄るような場所では無い気もした。
ソフトクリームは400円と北海道では超高級だが、きちんとそれに見合う味。

そんなわけなので、大人しく外に出て、高台に登り、一人で景色を堪能していた。

私はこれで良いんです。

さ、ここからは今宵の宿のある富良野へと進路を取ります。

すっかり良い天気が復活していた。

一気にR38で富良野まで向かう予定だったが、途中「幾寅駅」の標識を見つけて立ち寄ることにした。

幾寅駅は別名:幌舞駅
そう、高倉健主演の「鉄道員(ぽっぽや)」の映画で使われた駅なのだ。

その証拠に、当時のロケセットも残されていたり、駅名標も映画に登場する「幌舞駅」のままだったりする。

駅内には鉄道員の展示コーナーもあり、思わず見入ってしまった。

鉄道員は私の世代ではないが、2度ほど観るほど好きな映画の一つ。

しかし、この幾寅駅に列車が来ることも、もうない。
2016年の台風被害から復旧の見通しがたっておらず、バス代行が続いている。
他の多くの北海道の路線と同じように、廃線の運命をたどるのだろうか・・・

寂しげな気持ちになりながら、本日の宿に到着。
「リゾートインノースカントリー」は、以前の家族旅行でも宿泊した宿だ。

決して豪華なわけでも、温泉があるわけでもないが、富良野らしさを感じることができ、とても惹かれる宿なのである。

夕食は富良野のチーズを使ったチーズフォンデュ。
ビュッフェ形式のメニューは富良野の野菜をふんだんに使った料理の数々、そして富良野のワインでいただくディナーは最高なのだ。

7日目へ続く。

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