アクセラで行く、鳥海山ドライブ 1日目

GW前に車検から返ってきたアクセラスポーツで、早速初のプチロングドライブに出かけることにした。

行き先は特にこれといって考えていなかったが、GWの時期は残雪の山が美しい。
パッと思いつくのは日本アルプスなので、新潟、富山、長野方面を考えたのだが、天気は東北方面のほうがなんとなく良さそう。
それに、この辺りは昨年の夏に訪れている。

そうだ、久々に鳥海山を目指そう。

山々が連なるアルプス山脈も美しいが、庄内平野に孤高にそびえ立つ鳥海山の姿は自分の好きな風景の一つだ。
2回ほど鳥海山は訪れているが、たまたま2回ともあまり天気に恵まれず、それに訪れたのは夏と秋。
この時期は庄内平野の田園に水が張られ、美しい風景が見られるかもしれない。そう考えた。


AM3時ころにのんびりと家を出て、深夜割引ギリギリで関越自動車道に乗った。
なんたって、いつの間にかGWや長期連休は休日割引が廃止になって久しい。
貧乏会社員にとっては深夜割引の適用は重要である。もちろん、ストレス無く高速巡航するという意味でも。

夜が明ける頃に、赤城PAで仮眠を取る。

本当は駒寄PAで休もうと入ったものの、混雑していて落ち着かなかったので、次の赤城PAへ来た。ここは空いていた。
それにしても、椅子がきちんと倒れる車というのを人生で初めて所有したわけだが、仮眠が本当に楽でびっくり。

赤城で仮眠兼時間調整を行い、谷川岳PAへ。

ここではもはや定番?となりつつあるもつ煮定食を。
本来であれば北海道ツーリングへ行く際の定番食なのだが、昨年は行けなかったので許してほしい。
以前は圧倒的なコスパを誇っていたのだが、昨今の情勢のアレコレでだいぶ値上げしてしまった。それでも、決して高くはないのだが…

その後はR290をのんびりと快走し、新潟県の新津へ。
かつては新津市という市が存在していたのだが、今は新潟市に編入したので地名だけが残っているようだ。
鉄道好きには”新津”という地名は有名だろうし、自分自身も訪れるまで新津市だと思っていた。

そして新津でのお目当てはこちら、「新津温泉」

新津は古くから「鉄道のまち」としてよく知られている。今でもSLばんえつ物語号の終着駅になっているし、鉄道資料館なんかもある。
しかしそれに加え、新津油田という油田が存在しており「油田のまち」としても知られているのだ。
新津油田は、明治後期から大正にかけて、日本一の産油量を誇った油田なのだそう。

そしてこの新津温泉は、その油田採掘を行っていた際に偶然掘り当てた温泉とのこと。
泉質もその経緯から想像する通り、油臭がする独特の温泉である。

いわゆる火山性で山中にあるような温泉地とは異なり、本当に住宅街に突如存在している。
とてもわかりづらく、うっかり通り過ぎてしまったほどだ。

入り口で入浴料の500円を支払い、いざ浴室へ。
浴室の扉を開けると、まるで工場にでも来たかのような油臭がする。初めての体験だ。

浴場は小さな湯船が一つだけの、いわゆる公衆浴場的な感じ。
強烈な油臭からは打って変わって、ベタベタしたり不快な感じは一切なく、ヌルヌルのお湯。
味はややしょっぱいものの、お湯自体は癖も無く入りやすい、万人に気持ち良い温泉だ。

後から来た方が私の車のナンバーを見て、以前その方も近所に住んでいたそうで、思わず近所の話で会話がはずんだ。
新潟まで来てまさか近所の話をするとは思っていなかったが、遠出をしているとナンバープレートを見て話かけられることが案外多く、私の住んでいる地域は古くから住んでいた人が多いのだろうか。
浴室は私以外みな顔見知りで、その方も今は新津の地に居を移し、老後の贅沢として毎日入りに来ているらしい。羨ましい限りだ。

ところで、油臭のする温泉といえば北海道の豊富温泉が有名だが、その方曰く新津温泉の泉質は豊富温泉のそれともまた異なるらしい。
私は豊富温泉は未訪問なので、ぜひとも比べてみたい。

それにしても、新潟県は訛りがほとんど無いので会話がしやすいのは東北と違って助かる点だ(笑)
思いがけず40分ほどたっぷりと入浴し、後にした。

本来であれば、新津の街だけでも他にも見どころがたくさんあるし、月岡温泉や新津温泉で紹介してもらった温泉にも訪れたいのだが、時間の関係上泣く泣く北上を決めた。

村上まで北上し、ここからはR345の「笹川流れ」へ。

ここを走るのもなんだかんだ8年ぶり?である。

自分の中では、村上市街を抜けて羽越本線と交差するこの場所から笹川流れと呼んでいるのだが、実際の区間はよく知らない。
それに、「笹川」という地名は今も残ってはいるものの、区間にしたらほんのわずかだ。

細かいことはよくわからないが、海岸線を羽越本線と並走しながらのんびりと走るのはとても気持ち良い。

本当はいろいろと名勝もあるのだが、GWのドライブともなるとそこそこ訪れている人がいたりして、結局全部スルーした。
走り続けることが何よりも好きなので、少しでも面倒になると停まることを忘れてしまうのだ。

ところどころで旧羽越本線のトンネルを抜けたり、時々列車が横を通過したりする。
そんなのんびりとした情景のもと、のんびりと車を走らせるのが心地よい。
自分の中での笹川流れは、夕方にかけて走るのが良い。
徐々に陽が傾き、日本海に向けて太陽が沈んでいくのだ。

頭を空っぽにして笹川流れを走り、道の駅あつみへ。

本来であれば道の駅笹川流れに寄ろうかと考えていたのだが、駐車場が混雑していたので0.5秒で通過する判断を下した。

道の駅あつみは2015年夏のツーリングで夕日を見た場所だ。
あれから8年も経ったわけだが、車や環境は変われど、本質的には何も変わらず、こうして同じようなツーリングを楽しんでいる。

昼食?を完全に食べ損ねてしまった、というよりもそこまで空腹感もなかったので走り続けていたのだが、ここで昼食。
といっても、すでに16時だが。

刺身定食(1500円)

さすがに閉店間近で売り切れも多かったので、刺身定食を注文。
価格から考えていた以上に種類も多く、とても美味しい刺身だった。

そして本日の宿を予約。
GWではあるものの一応今日は平日ということもあり、なんとか酒田に安宿を抑えることが出来た。

さて、今日の日没は18時半頃なので、さすがにここで1時間以上待っているわけにもいかないので、走り出すことにした。

連休の合間の平日の中でなんとか抑えた今日の宿は、特に大浴場も無い素泊まりビジネスホテルなので、できれば湯野浜温泉にでも入浴しようかと考えていた。
贅沢を言えば露天風呂から日没が見られれば最高なのだが、湯野浜温泉自体あまり夜までやっている日帰り入浴が少ないため、決めかねていた。

そんな中、考えるために立ち寄った砂浜。
しかし、ここがあまりにも良いロケーションだったため、温泉は諦めてここで日没を見届けることにした。

1日を終えるということは、美しい日没を見届けるということだ。

時折吹く潮風と波の音、訪れた皆が思い思いにこの時間を楽しんでいた。

出会いたい風景とは、目の前にその風景が広がって初めてわかるものなのかもしれない。
そのためにも頭を空っぽにして、ひたすら旅をしよう。

美しい日没と引き換えに、湯野浜温泉の日帰り入浴時間は終わってしまった。

その代わりに車を少し走らせ訪れたのは「長沼温泉 ぽっぽの湯」

さすがに新津温泉への入浴で全身から石油のフレグランスを放っていたため、洗い流すためにも日帰り温泉へ。
しかし、ここの泉質もわずかながら石油臭のする温泉だった…。
とはいえ、広々とした露天風呂はとても気持ちよく、入浴料もわずか450円。素晴らしい〆となった。

その後は酒田に取った宿に向かって走らせた。

酒田駅

宿へ到着し、1日を終えた。

(続く)

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