若狭から伯耆までの旅 1日目 〜原発半島を巡る〜

あまり「年度」という単位で時期を語るのは個人的に好きではないのだが、”今年度”も終わりに近づいた。
というわけで、”年度の最後”に休暇を消化し、ちょっとしたツーリングに出ることにした。

自宅を2:30頃に出発し、淡々と中央道を西に向かって征く。

夜中の高速道路を遥か先に向かって走るなんていつぶりだろうか?
あえて東名ではなく中央道を選択し、極めて少ない交通量の中、矢の如く歩みを進める。

ところで、ボクスターにテクイップメントとして装着されているクルーズコントロール。
車間調整機能のないクルーズコントロールなんて必要無いと思ってたが、夜中の中央道ではなかなか役に立つ。
無くても全く困るモンじゃないが、あればあったで使うってやつだ。
メーター誤差も加味して105km/hにセットし、(ボクスター自身が)走り続けた。

駒ケ岳SAで友人と合流し軽く朝食。
その先の屏風山PAで仮眠していると、その間に”狩人(クラウン)”が”獲物(CX-8)”を連れて来たらしいが、そんなことにも気付かず一眠りしていた。。。

北陸自動車道を走り、敦賀ICでモーターウェイの旅を終えた。

さて、今回の旅は福井県から始まる。
というのも、私自身ツーリング以外でも福井県には足を踏み入れたことすらなかった。(参照 : 制県レベル

気比の松原を横目に敦賀の街を抜け、敦賀半島を北に上る。

敦賀半島は「原発半島」なんて呼ばれている。
半島の北端部には「敦賀原子力発電所」、北端西部には「高速増殖炉もんじゅ」、西側には「美浜原子力発電所」がある。

で、r33を走ってたどり着いたのは「もんじゅ」を望む綺麗な砂浜。”美浜”という地名に負けない美しい砂浜だ。

既に廃炉が決まっている「もんじゅ」だが、”高速増殖炉”という響きがなんとも厨二心をくすぐる(笑)
で、何するところなのかイマイチ理解していなかったのが正直なところだが、素人的な説明をすると「原子力発電所で使われた使用済み核燃料から、核分裂によってプルトニウムを増殖させ、燃料を再利用する施設」なのだそうだ。
これだけ聞くと夢のような施設だが、結局のところ技術的に難しかったことや、度重なる事故も発端となり、2016年に廃炉が決定している悲しき施設なのだ。

その後は美浜原発にあるPRセンターにも立ち寄り、数々の資料や展示物に見入り、学びを深めるのであった。

敦賀半島を後にし、次に向かうは三方五湖。正確には三方五湖レインボーライン。

通行料1,060円というなかなかに高額な有料道路だが、全長11.2kmのワインディングロードは訪れる価値は大いにある。

晴れ渡った日本海を望むヒルクライム。
交通量も少なく、最高の気分で一気に山頂まで駆け上がった。

山頂には「レインボーライン山頂公園」がある。

駐車場に車を停めると、平日にも関わらず結構な車。
で、山頂に行くにはリフトかケーブルカーか徒歩があるが、リフトやケーブルカーはいずれも往復900円。
(山頂に行くのに2千円近くかかるのか・・・)
などと思いつつも、旅に出れてとっても良い気分なので、喜んでリフトに乗るのであった。

で、上った先は最高の景色。

北を見れば日本海を一望し、南を見れば三方五湖を望む。

三方五湖は文字通り5つの湖からなる総称だが、それぞれが塩分濃度が異なり、淡水魚から海水魚まで様々な魚が住んでいるらしい。
福井県、侮れない。
旅に出る度に思うが、やはり行ってみて初めて得られる知識があり、感動がある。
昨今はあまり自由に行動出来ない時代となったが、旅はVRで代用が効くものではないと思う。

山頂公園はテラスのようになっており、ちょっとした軽食が食べられるカフェやテラス、足湯までもあり、ツーリングを忘れてボーッとしていたくなるような心地よさ。(とはいえ、休日は混みそうな気配がするが・・・)

恒例のソフトクリームタイム。

三方五湖を眺めながらテラスで食べるソフトクリームは最高。
風も無く、気温も心地よく、まさしくベストコンディションだった。※花粉は除く

さて、ソフトクリームは食べたものの、そろそろ昼食の時間だ。

三方五湖レインボーラインを降りた場所にある「ドライブインよしだ」でイカ丼を食べようと目指したものの、残念ながらやっておらず・・・
仕方がないのでその場でリサーチし、少し先にある「レストハウス湖畔」を目指した。

素朴なレストハウスだが、なかなかの賑わい。
福井名物らしいソースカツ丼を、目の前の水月湖(三方五湖のうちの一つ)を眺めながら美味しくいただいた。
水月湖はうなぎが獲れるらしく、そのうなぎを使ったうなぎ丼もメニューにラインナップされていた。(数量限定のため残念ながら売り切れ)
ってことは、水月湖は淡水湖なんだろうが、目の前の湖で獲れたうなぎを戴けるなんてなかなか素晴らしいエクスペリエンス。

腹を満たした後はR162を西進。
「道の駅 うみんぴあ大飯」で休憩しつつ、ここにあった「エルガイアおおい」という関西電力のPRセンターに立ち寄った。
このエルガイアおおい、とんでもなく金のかかった体験型施設で巨大シアターまで備えている(汗)
美浜原発PRセンターに続き、またまた関西電力にたっぷりと時間を奪われてしまうのであった・・・

さ、気を取り直して走り出す。

せっかくなので、道の駅のすぐとなりにある「青戸の大橋」を渡り、r266経由で西進した。

大飯原子力発電所は時間も無くなってきたことや一本道のためスルー。

続いては福井県と京都府にまたがる大浦半島を北上する。

r21を走り、高浜原発の対岸側にある日引の棚田へ。

そこには原子力発電所を眺める小さな集落があった。
発電所の稼働音が遠くで響きわたる。

都心で暮らしていると日常的に原子力発電所を見る機会はなかなか無いが、こうして発電された電気が都市を支えている。
原子力発電について個人の考えをあれこれ述べる気は全く無いが、CO2を排出しない電気エネルギーであることは事実なのだ。
この記事を書いているつい先日、高浜原発と美浜原発の運転再開が認められた。40年超えの原発としては全国初となるそうだ。
40年超の原発再稼働へ 全国初、福井県知事が同意 – 日本経済新聞, 2021年4月28日

その先の恵良岬展望台。

原発の重低音以外にも、猿の声が聞こえた。

大浦半島を後にし、舞鶴の街へ向かった。

着いたのは舞鶴赤れんがパーク。
京都舞鶴港は日本海側ではかなり大きな港で、海上保安庁の大きな拠点もある。それから我らが新日本海フェリーのターミナルもある。

夕暮れ時。
何の楽器かわからない変わった音色の楽器で、アメイジング・グレイスを奏でている人が駐車場にいた。

各自燃料を給油し、夕食。

今日の宿は天橋立に取った。昼に予約し、素泊まりとしている。
なので、最後の大きな街である舞鶴で安定と信頼のスシローとした。

ホテルアンドリゾーツ京都宮津」にチェックイン。
700km超えのロングランを終えた。

2日目へ続く。

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