北海道グランド・ツーリング(5日目) of GT Journal

2015.09.12

北海道グランド・ツーリング(5日目)

北海道グランド・ツーリング、5日目。(4日目はこちら)



今日は夜中に台風が通過したので晴れるのではないかと予想し、5:30に起床。

そして窓を開けると・・・



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昨日とは打って変わって、美しい朝焼けと青空とのグラデーション。
これを観た瞬間、今日は必然的に良い旅になると直感した。
これがあるからグランド・ツーリングは好きなんです。



すぐさまチェックアウト、Zに乗り込み、濡れたフロントガラスをワイパーで拭い出発。



宿から程近い町道北19号道路、通称「ミルクロード」
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大きなアップダウンを繰り返し、ひたすら先へと続いている。
向かう先は開陽台・・・


〜開陽台〜

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AM 6:00。
Zを停め、グルっと1周景色を見渡す。
360度の大パノラマ。
いくら広角レンズと言えど、そのたった一部しか切り取ることが出来ないのはとても残念だ。
透き通る青空の下には広大な北の大地が地平線までずっと続いている。
そうだ、地平線に向かって旅をしよう・・・


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意気揚々と中標津から、台風で落下したと思われる落葉や枝を避けつつR244で野付半島へ。

しかし、南下すると突然雲が現れた。さっきの青空は一体どこへ行ってしまったのだろうか・・・
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仕方が無いので、野付半島はパスし、R244を南下。
途中のセイコーマートで朝食を食べ、これからの計画を練る。

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アメダスをチェックすると、根室の方は快晴だということが判明。
ならば、向かうしか無いじゃないか。
晴れ間を探す旅を楽しもうじゃないか。



アメダスは当然外れるわけも無く、R244→R44と入り「道の駅スワン44ねむろ」で休憩を入れる頃にはすっかりと晴れ渡っていた。
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道の駅のすぐ裏にある風蓮湖は、道内では一昨日行ったサロマ湖、能取湖に次いで3位の面積を誇る汽水湖だそうだ。偶然にも大きい湖巡りをしていたのか・・・
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このまま納沙布岬へと向かおうかと思ったが、「国道より道道だろう!」ということで、南下して道道142号へ。


そこで通り道の別当賀駅へと立ち寄る。

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小さな駅舎に、寂れた待合室。
いつかは鉄道でも北海道を旅してみたいものだ。


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根室へと向かう道道142号は、思惑通り交通量がほとんどゼロの快走路だった。
恐らく、ほとんどの人たちは国道44号線を使うのだろう。
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気持ちの良い青空のもと、窓を全開にして滑走した。



〜落石岬への感動のアプローチ〜

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「落石岬」という岬をご存知だろうか。
美しい岬だと聞いていたので向かってみたのだが、全く観光地化されていなくて驚いた。


そこへはまず、砂利道を車で進み、行き止まりのゲートの手前に邪魔にならないように車を停める。
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そこからはひたすら徒歩なのだが、歩き始めるとロールス・ロイスのロゴのようなものが付いた不気味な建造物が。
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あまりに不気味だったので近寄らなかったのだが、後から調べた所、「落石無線電信局」の跡だそうだ。



少し歩くと、国の特別天然記念物のサカイツツジの自生地が現れる。
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小道は整備されているのだが、ところどころ崩落していたり、そもそも丸太なので滑りやすいので注意が必要だ。
この木の小道は約2kmあるらしいので、ひたすら歩く。





すると突然視界が開け、そこには幻想的な景色が広がっている・・・
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この瞬間の感動は何ものにも代えがたい。
落石岬はそのアプローチのしにくさから、「秘岬」とも言われている。
しかしそれゆえ、訪れる観光客は極めて少なく、この景色を独り占めできるのだ。
草原の先は断崖。その先には太平洋。
それにアクセントを添えるのは白と赤の小さな灯台。
聴こえるのは波の音、感じるのは心地良い潮風。

この広大な草原に僕1人、立ち尽くし、目の前の夢の様な景色にただただ魅了されていた・・・



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岬から戻ると、管理人らしきおじさんと出会った。
「何も無かっただろう?」なんて言われたが、確かに何も無かったさ。何もないが故の美しさなのだから・・・
それからZのナンバーを見て「洪水は大丈夫だったかい?」と聞かれた。
昨日の台風で茨城の鬼怒川の堤防が決壊し、大洪水となっていた。
北海道も、台風が少ないから良いものの、釧路の方は海抜が低く、万が一大きな台風が来たら危険なのだそうだ。



雑談を終え、落石岬を後にし、納沙布岬へと向かう。北海道最東端の灯台へ・・・
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〜納沙布岬〜

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辿り着いた北海道最東端の地、納沙布岬。

ここは北方領土問題を根深く残している地でもある。

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どんな美しい景色が待っているだろうか、と期待して向かったが、複雑な気持ちになった。


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至る所に「北方領土を返せ」の文言が書かれている。
すぐそこに見える地が、外国なのだ。
今後、この問題が解決する日は来るのだろうか・・・


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〜北太平洋シーサイドラインの旅〜

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道道142号、通称「北太平洋シーサイドライン」
今日の太平洋は、昨日の台風の影響で荒れていた。
波しぶきの霧へ向かって突っ走り、再び駆け上がる。

さて、この道の素晴らしさはどう伝えようか。
どんな道かと聞かれたら、「適度なアップダウンを繰り返しながら、右へ左へと続く海岸線に沿って走る道」なのだが、そんな道は全国探せばいくらでもある。
しかし、この道は格別に楽しい。
どう楽しいのか伝えるのは自分の表現力に限界を感じるので、実際に走ってみて欲しい。





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〜霧多布岬〜

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道道142号から道道123号へと入り、向かったのは霧多布岬。
名前の通り、霧が多いことから霧多布岬という名前になったのだとか。



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映画「ハナミズキ」のロケ地だったことが書かれているが、観たことが無いので同じアングルで写真は撮れず・・・


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時刻は14時。実は今日の宿は浦河町に取ったのだが、あと300kmもあるじゃないか(汗)
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〜昆布刈石展望台〜

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ツーリングマップルにも記されている昆布刈石展望台へと向かいたくて、厚内駅付近から道道1038号へと向かうが「高波の影響」でなんと通行止め。


行けないかと思いきや、R336から迂回したらたどり着きました。



ダートの小道を駆け上がると待っているのは・・・

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海沿いにある、ダートの道。
看板が一つ立っているだけで、観光地でもないのだろう。
ダートの小道を駆け上がると、茜色に染まる大空が待っていた。
誰もいない、最果ての風景。
孤独感に浸り、ただただ夕焼けに染まる雲たちを見上げていた。
今日も素晴らしい旅だった。





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さあ、宿まであと130kmだ。

誰もいない寂しげなナウマン国道を走り、浦河の町へ向かった・・・


(6日目)へ続く・・・


BGM : DAISHI DANCE - MUSIC LIFE IN FOREST